
皆さんこんにちは。
岡野工業、更新担当の中西です。
さて今回は
~“変遷”~
目次
消火配管:火災時に「確実に水(または消火薬剤)が届く」ことが使命。
エアー配管:生産設備・工具へ「必要圧力と清浄度の空気を安定供給」するのが使命。
どちらも“見えないインフラ”ですが、止めない・漏らさない・劣化させないための技術が積み重なってきました。
素材:黒鋼管(SGP)・配管用炭素鋼鋼管(STPG)、銅管、亜鉛めっき鋼管が主流。
接合:ねじ込み・フランジ・溶接が中心。消火配管は常時満水の湿式が基本。
エアー系:レシプロ/スクリューコンプレッサ+直線幹線+ドロップという素朴な配管。
課題:腐食・スケール・“ねじ部”からの漏れ、圧損の大きさ、保全性の不足。
法規・基準の整備(消防・建築・JIS等)で、設計→施工→検査が体系化。
グルーブ継手(機械式継手)の普及で大口径の工期短縮・溶接火気リスク低減。
アラーム弁・流量検知・ゾーニングが一般化し、誤作動・水撃対策の議論が進む。
エアー品質:プレフィルタ→ドライヤ→ミクロミストの3段ろ過が定番化。
配管設計:リング(ループ)配管の採用で圧力降下の平準化を図る。
工場プレハブ化:ユニット化・スプール化で現場溶接削減/品質の均一化。
耐食素材の拡大:ステンレス(SUS)、耐食鋼板、内面コーティング管の導入。
ドレン管理:自動ドレン捕集・油水分離で配管腐食とエア汚染の抑制。
省エネ:インバータ(VSD)コンプレッサ、エア漏れ点検、配管径最適化で圧損×電力を同時に削減。
クリーン志向:食品・医薬でオイルフリー+ISO 8573準拠が当たり前に。
耐震支持・可とう継手の普及:吊り金具・ブレース・スライドハンガで地震時の座屈や落下を回避。
水ミスト・ガス系等の多様化(用途に応じた最適消火方式の選定)。
BIM/CIM:干渉チェック・重量計算・支持金具の位置決めを3Dで事前検証。
予防保全:データロガ・差圧監視で漏れ/詰まり/圧力降下の早期発見。
安全文化:ホットワーク管理、狭所・高所のリスクアセスメントが標準運用に。
省施工:ねじレス・プレス継手・グルーブで配管スピード×安全性を両立。
非破壊検査・ドローン点検:高天井・天井裏の点検を省力化。
IoT常時監視:消火配管の圧力・水位・弁状態、エアーの流量・漏えい率・露点をダッシュボードで可視化。
熱回収・再エネ連携:コンプレッサ排熱の給湯/空調利用でエネルギー再利用。
LCC提案:初期費用だけでなく10〜20年の維持コストで比較するのが主流に。
方式:湿式→乾式・予作動・二重作動・ミスト・ガス等へ現場適合。
腐食対策:乾式区画の酸素管理・窒素置換、内面コート、デッドレッグ削減。
水撃・誤作動:立ち上がり緩和、エアベント、感知・弁のフェイルセーフ設計。
検査:耐圧・通水・フラッシング、アラーム作動試験、竣工台帳の充実。
品質:ISO 8573で粒子・水分・油分のクラス管理。露点監視で結露を抑止。
圧損:リング幹線+ドロップにサブ配管を短く。曲げ・継手の最小化で圧力を守る。
ドレン:落とし脚(ドロップレッグ)+最低部のドレン弁で水溜まりをゼロに。
漏えい:夜間ベース流量で漏えい率を推定→修繕。配管更新時は継手数を削減。
素材選定:油分・洗浄度・温度・圧力でSUS/銅/アルミモジュラー/高耐圧樹脂を使い分け。
昔:図面通りに敷く
今:運用まで設計する(点検動線、弁のアクセス性、将来増設のポート、センサー配置、LCC)
フェールセーフ:停止時の影響範囲を最小に(系統分割・バイパス)。
見える化:系統図・バルブリスト・計装点表を現場掲示。
更新性:プレハブ化・標準スプールで更新工期を短縮。
共通
取合い・スリーブ:貫通部の防火措置/耐火区画貫通処理
支持・耐震:吊りピッチ・ブレース角度・スライド余長
圧力試験:消火=耐圧・通水、エア=耐圧・気密・せん断振動
洗浄:フラッシング(消火)、ブロー(エア)
図書:竣工図・写真台帳・弁リスト・点検計画書
消火
末端試験弁での流量・警報確認、感知・弁連動の試験記録
乾式のエア圧・監視設定、配管勾配の水抜き性
エア
露点・油分・粒子の受入検査
ドレン自動排出の動作、戻り配管の有無(回収方式)
工期遵守率/手直し率/写真台帳提出率
漏えい率(エア)=夜間ベース流量÷定格流量
圧損(幹線末端のΔP)/末端流量の偏差
保守呼出件数/年/緊急出動の平均初動時間
LCC提示率(見積に維持費の試算を添付した割合)
ねじレス・プレハブ比率を示し、工期短縮×品質安定を数値化。
BIM干渉チェック画像と支持金具表を見積段階で添付。
LCC(10年):漏えい率1%改善=電力○円/年削減、ポンプ/コンプレッサ稼働時間の低減を試算。
可視化パック:竣工後は圧力・露点・弁状態ダッシュボード+定期点検をセット販売。
**将来増設の“空ポート”**を最初から提案(停止時間を短縮)。
食品工場のライン増設でエア圧が不安定に。
現場調査で直列幹線の末端圧損がボトルネックと判明。
リング化+径アップ+曲げ削減でΔPを半減、夜間の漏えい修繕でコンプレッサの負荷も−12%。
稼働音が静かになり、品質クレームもゼロに。
“管の見直し”が工場の歩留まりを救いました。
スマート監視×予兆保全:微小流量の異常検知、弁固着・腐食の早期発見。
水ミスト最適化:超早期放水・被害最小のバランス設計。
脱炭素:排熱回収・最適圧制御・リークゼロ運動の標準化。
人材育成:現場は**“干渉を避け、圧損を抑え、保守を楽にする”**思考を学ぶ時代へ。
消火・エアー配管工事は、
素材×接合×耐震×清浄度×デジタルの進化で、
「図面どおり敷く」から「運用まで設計する」仕事に。
今日できる一歩は――
1系統だけでもリング化と継手削減を検討、
竣工図に弁・計装点の座標リストを付ける、
漏えい率・露点・終端圧の月次グラフを貼り出す。
小さな改善が止まらない設備・止めない工場・確実な消火をつくります🧯💨💡
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