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月別アーカイブ: 2025年9月

岡野工業のよもやま話~“やりがい”~

皆さんこんにちは。

岡野工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“やりがい”~

 

1|いま強い“ニーズ”はここにある 🎯

  1. 止めない運用(BCP)×安全
    停電・地震・火災でも“系統が生きる”冗長化、系統分割、バイパス・空ポート設計の要望が増加。

  2. 省施工・短工期・無火気
    稼働中施設での改修が常態化。ねじレス(グルーブ/プレス)やユニット化で夜間・短時間施工のニーズ。

  3. 漏えいゼロ&圧損低減(省エネ)
    エアーの電力コスト可視化で、漏えい率の常時計測・ΔPの最小化が必須テーマに。

  4. 清浄度・品質管理
    食品/医薬はISO 8573(粒子・油・水分)や露点管理、消火配管は腐食・水撃対策の要求が厳格化。

  5. 可視化・記録・合意形成
    竣工写真台帳、弁・計装点の座標リスト、点検ダッシュボードなど**“見える品質”**が選定基準。

  6. LCC(ライフサイクルコスト)提案
    初期費用より10〜20年の維持費で比較。省エネ・点検性・更新性まで含めた総合提案が求められる。

  7. コンプライアンス&安全文化
    ホットワーク、狭所・高所、化学物質、耐火区画貫通の確実な法対応と教育。


2|発注者別「刺さる提案」テンプレ 💡

  • 物流倉庫
    ・ゾーニング(高積み/冷凍)ごとの消火方式最適化(湿式・乾式・予作動・ミスト)
    地震時の落下・座屈対策(ブレース・可とう継手)+夜間切替の工期表
    ・年1回のバルブ機能試験+写真ダッシュボード納品

  • 食品・医薬工場
    ・エアー露点・油分・粒子のクラス指定、リング幹線+短いドロップで圧損を均一化
    ・ドレン自動排出+油水分離のスキーム、清浄度の受入検査成績書をセット

  • 商業・オフィス
    無火気(グルーブ/プレス)中心で夜間短工期、騒音・粉じん管理計画
    ・“見せる安全”として弁・警報の点検ログQR化

  • 機械工場
    ・圧縮機VSD制御+漏えい率ベンチマーク(夜間ベース流量/定格流量)
    ・曲げ最小化・継手削減の圧損シミュレーション提示


3|“選ばれる会社”の運用型パッケージ 📦

  1. ねじレス・プレハブ比率の明示:工期短縮%/火気リスク低減/出来形均一化を数値で。

  2. BIM干渉チェック画像の添付:支持金具表・重量表つきで合意形成を高速化。

  3. 可視化キット:弁リスト・系統図・計装点表・ダッシュボード(圧力/露点/漏えい率)を納品。

  4. LCC10年シート:漏えい1%改善=電力○円/年削減、保守時間△h/年、を表に。

  5. 計画停止最小化プラン:分割切替・仮設バイパス・夜間施工の工程表を事前提示。


4|品質・安全チェックリスト✅

共通

  • 貫通部の耐火措置・シーリング、吊りピッチ・ブレース角度、保温・防露

  • 耐圧/気密・通水・フラッシング/ブローの試験記録

  • 写真台帳(支持・継手・勾配・弁・計装)の必須カット
    消火

  • 末端試験弁で警報・流量確認、乾式区画のエア圧監視設定、デッドレッグ最小化
    エア

  • ISO 8573クラス設定、露点・油分の受入検査、リング化+落とし脚ドレン、夜間漏えい率測定


5|KPI📊

  • 工期遵守率/手直し率/写真台帳提出率

  • 漏えい率=夜間ベース流量÷定格流量(%)

  • 圧損(幹線起点→末端のΔP)/末端流量の偏差

  • 緊急出動の平均初動時間/年次保守呼出件数

  • LCC提示率(見積に10年維持費を添付した割合)


6|“価格競争”を避ける差別化ポイント 🧭

  • 成果連動SLA:漏えい率・ΔP・点検実施率・アラーム応答時間を契約指標に。

  • 運用性の図示:点検動線、バルブアクセス、将来増設ポートを図で見える化

  • 安全文化の数値化:KY実施率・ヒヤリハット報告・ホットワーク許可件数を公開。

  • 更新容易性:標準スプール化、弁・機器の交換クリアランスを最初から確保。


7|現場が感じる“やりがい”ベスト8 🏅

  1. 止まっていた設備が動き出す瞬間
    圧力が安定し製造ラインが静かに回る――音で分かる成果は格別。

  2. “見えない安全”を設計できる誇り
    火災時、確実に水(薬剤)が届く配管を自分の手で作る責任と自負。

  3. 段取りで勝負が決まる手応え
    夜間短時間で切替成功。図面×工程×チームが噛み合った達成感。

  4. 数字で成長が見える
    漏えい率▲2%、ΔP▲8kPa――改善が電力・品質に直結

  5. 業種ごとの最適解を探るオモシロさ
    倉庫/食品/医薬/商業…同じ答えがない設計・施工の深み。

  6. 若手の“管を見る目”が育つ瞬間
    水の流れ・空気の流れ・維持の視点を掴んだときの頼もしさ。

  7. 感謝がダイレクト
    「止まらなくなった」「音が静かになった」――現場からの即フィードバック

  8. 街のインフラを下支えする誇り
    自分の配管が人命と生産を守る――長く残る仕事。


8|そのまま使える提案トーク🗣️

「配管は“通ればOK”ではありません。
止めない設計(系統分割・空ポート・バイパス)と、ねじレス・ユニット化で短工期。
竣工後は漏えい率・圧力・露点をダッシュボードで可視化し、
10年LCCまで含めて“運用が楽な配管”をご提供します。」


9|明日からできるミニ改善 ✅

  • 夜間1回、コンプレッサ停止前後のベース流量ログを取り漏えい率を算出

  • 既存図に弁番号・座標・天井高さを追記(点検時間短縮)

  • 直列幹線の末端圧低下があれば簡易リング化案を作成

  • 乾式消火区画は酸素管理・窒素置換の可否を検討

  • 写真台帳の必須カット「支持・継手・貫通・勾配・弁・計装」を5点テンプレ


まとめ ✨

ニーズは「BCP×安全」「省施工・短工期」「漏えいゼロ&圧損低減」「清浄度管理」「可視化」「LCC」「法順守」。
やりがいは「設備が止まらない安心を生む」「数字で価値が見える」「最適解を設計する知的充実」「感謝が直球で届く」。

配管は“見えないインフラ”ですが、止めない・漏らさない・劣化させないを設計・施工・運用で実現する、人命と生産を守る仕事です。
今日の一歩――漏えい率の測定弁座標リストの整備から、現場は確実に良くなります🧯💨🛠️

 


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岡野工業のよもやま話~“変遷”~

皆さんこんにちは。

岡野工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“変遷”~

 

1|安全インフラを“管”で支える

  • 消火配管:火災時に「確実に水(または消火薬剤)が届く」ことが使命。

  • エアー配管:生産設備・工具へ「必要圧力と清浄度の空気を安定供給」するのが使命。
    どちらも“見えないインフラ”ですが、止めない・漏らさない・劣化させないための技術が積み重なってきました。


2|〜1980年代:素材・接合の基礎を固める時代 ⛏️

  • 素材:黒鋼管(SGP)・配管用炭素鋼鋼管(STPG)、銅管、亜鉛めっき鋼管が主流。

  • 接合:ねじ込み・フランジ・溶接が中心。消火配管は常時満水の湿式が基本。

  • エアー系:レシプロ/スクリューコンプレッサ+直線幹線+ドロップという素朴な配管。

  • 課題:腐食・スケール・“ねじ部”からの漏れ、圧損の大きさ、保全性の不足。


3|1990年代:標準化と耐震・品質の時代 📐

  • 法規・基準の整備(消防・建築・JIS等)で、設計→施工→検査が体系化。

  • グルーブ継手(機械式継手)の普及で大口径の工期短縮・溶接火気リスク低減

  • アラーム弁・流量検知・ゾーニングが一般化し、誤作動・水撃対策の議論が進む。

  • エアー品質:プレフィルタ→ドライヤ→ミクロミストの3段ろ過が定番化。

  • 配管設計:リング(ループ)配管の採用で圧力降下の平準化を図る。


4|2000年代:プレハブ化・省エネ・清浄度管理の高度化 🏭

  • 工場プレハブ化:ユニット化・スプール化で現場溶接削減/品質の均一化

  • 耐食素材の拡大:ステンレス(SUS)、耐食鋼板、内面コーティング管の導入。

  • ドレン管理:自動ドレン捕集・油水分離で配管腐食とエア汚染の抑制

  • 省エネインバータ(VSD)コンプレッサ、エア漏れ点検、配管径最適化で圧損×電力を同時に削減。

  • クリーン志向:食品・医薬でオイルフリー+ISO 8573準拠が当たり前に。


5|2010年代:耐震・BCP、デジタルの導入 📡

  • 耐震支持・可とう継手の普及:吊り金具・ブレース・スライドハンガで地震時の座屈や落下を回避

  • 水ミスト・ガス系等の多様化(用途に応じた最適消火方式の選定)。

  • BIM/CIM:干渉チェック・重量計算・支持金具の位置決めを3Dで事前検証

  • 予防保全:データロガ・差圧監視で漏れ/詰まり/圧力降下の早期発見

  • 安全文化:ホットワーク管理、狭所・高所のリスクアセスメントが標準運用に。


6|2020年代:カーボン・省施工・遠隔監視の時代 🌱

  • 省施工:ねじレス・プレス継手・グルーブで配管スピード×安全性を両立。

  • 非破壊検査・ドローン点検:高天井・天井裏の点検を省力化

  • IoT常時監視:消火配管の圧力・水位・弁状態、エアーの流量・漏えい率・露点をダッシュボードで可視化。

  • 熱回収・再エネ連携:コンプレッサ排熱の給湯/空調利用でエネルギー再利用

  • LCC提案:初期費用だけでなく10〜20年の維持コストで比較するのが主流に。


7|“消火配管”の要点進化(現場の勘所)🧯

  • 方式:湿式→乾式・予作動・二重作動・ミスト・ガス等へ現場適合

  • 腐食対策:乾式区画の酸素管理・窒素置換、内面コート、デッドレッグ削減

  • 水撃・誤作動:立ち上がり緩和、エアベント、感知・弁のフェイルセーフ設計。

  • 検査:耐圧・通水・フラッシング、アラーム作動試験、竣工台帳の充実


8|“エアー配管”の要点進化(現場の勘所)💨

  • 品質:ISO 8573で粒子・水分・油分のクラス管理。露点監視で結露を抑止。

  • 圧損リング幹線+ドロップにサブ配管を短く。曲げ・継手の最小化で圧力を守る。

  • ドレン落とし脚(ドロップレッグ)+最低部のドレン弁で水溜まりをゼロに。

  • 漏えい:夜間ベース流量で漏えい率を推定→修繕。配管更新時は継手数を削減

  • 素材選定:油分・洗浄度・温度・圧力でSUS/銅/アルミモジュラー/高耐圧樹脂を使い分け。


9|“設計思想”の変遷:図面から運用へ 🧭

昔:図面通りに敷く
今:運用まで設計する(点検動線、弁のアクセス性、将来増設のポート、センサー配置、LCC)

  • フェールセーフ:停止時の影響範囲を最小に(系統分割・バイパス)。

  • 見える化:系統図・バルブリスト・計装点表を現場掲示

  • 更新性:プレハブ化・標準スプールで更新工期を短縮


10|現場品質のチェックリスト ✅

共通

  • 取合い・スリーブ:貫通部の防火措置/耐火区画貫通処理

  • 支持・耐震:吊りピッチ・ブレース角度・スライド余長

  • 圧力試験:消火=耐圧・通水、エア=耐圧・気密・せん断振動

  • 洗浄:フラッシング(消火)、ブロー(エア)

  • 図書:竣工図・写真台帳・弁リスト・点検計画書

消火

  • 末端試験弁での流量・警報確認、感知・弁連動の試験記録

  • 乾式のエア圧・監視設定、配管勾配の水抜き性

エア

  • 露点・油分・粒子の受入検査

  • ドレン自動排出の動作、戻り配管の有無(回収方式)


11|KPI(小〜中規模の工事会社向け)📊

  • 工期遵守率/手直し率/写真台帳提出率

  • 漏えい率(エア)=夜間ベース流量÷定格流量

  • 圧損(幹線末端のΔP)/末端流量の偏差

  • 保守呼出件数/年/緊急出動の平均初動時間

  • LCC提示率(見積に維持費の試算を添付した割合)


12|“価格競争”を避ける差別化ポイント 🧭

  1. ねじレス・プレハブ比率を示し、工期短縮×品質安定を数値化。

  2. BIM干渉チェック画像支持金具表を見積段階で添付。

  3. LCC(10年):漏えい率1%改善=電力○円/年削減、ポンプ/コンプレッサ稼働時間の低減を試算。

  4. 可視化パック:竣工後は圧力・露点・弁状態ダッシュボード+定期点検をセット販売。

  5. **将来増設の“空ポート”**を最初から提案(停止時間を短縮)。


13|短編エピソード(100秒ストーリー)📘

食品工場のライン増設でエア圧が不安定に。
現場調査で直列幹線の末端圧損がボトルネックと判明。
リング化+径アップ+曲げ削減でΔPを半減、夜間の漏えい修繕でコンプレッサの負荷も−12%。

稼働音が静かになり、品質クレームもゼロに。
“管の見直し”が工場の歩留まりを救いました。


14|これからの10年:スマート&サステナブルへ 🚀

  • スマート監視×予兆保全:微小流量の異常検知、弁固着・腐食の早期発見。

  • 水ミスト最適化:超早期放水・被害最小のバランス設計。

  • 脱炭素:排熱回収・最適圧制御・リークゼロ運動の標準化。

  • 人材育成:現場は**“干渉を避け、圧損を抑え、保守を楽にする”**思考を学ぶ時代へ。


まとめ ✨

消火・エアー配管工事は、
素材×接合×耐震×清浄度×デジタルの進化で、
「図面どおり敷く」から「運用まで設計する」仕事に。

今日できる一歩は――

  • 1系統だけでもリング化と継手削減を検討、

  • 竣工図に弁・計装点の座標リストを付ける、

  • 漏えい率・露点・終端圧の月次グラフを貼り出す。

小さな改善が止まらない設備・止めない工場・確実な消火をつくります🧯💨💡

 


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