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月別アーカイブ: 2025年8月

岡野工業のよもやま話~“漏れない・落ちない・詰まらない”~

皆さんこんにちは。

岡野工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“漏れない・落ちない・詰まらない”~

 

圧縮エアは“見えないインフラ”。圧力降下・結露・漏気が生産性をむしばみます。コンプレッサ→ドライヤ→フィルタ→配管→末端までを一本で設計し、品質(清浄度)×省エネ×保全性を両立する実務の型をご紹介。⚙️


1|まずは“使い方”を数値化

  • 必要圧力(機器の最小動作圧+余裕0.1〜0.2MPa)

  • 瞬時流量ピーク/平均流量/将来増設分(+20〜30%)

  • 清浄度目標:含水・油分・粒子(例:クラス設定)

  • 現在のロス:夜間停止時のコンプ稼働=漏気量の目安


2|系統設計:リング主幹+ドロップ配管が基本

  • リング幹線:どの方向からも供給でき圧損低減

  • ドロップ:上から下へ降ろし、水は主管へ戻す

  • 勾配:主管はコンプ側→末端へ上り勾配、末端にドレンポット

  • 配管材:SUS/アルミモジュール/Cu/樹脂(圧力・油・温度で選定)

  • 継手:漏れに強いプレス/グルーブ/溶接、改造頻度が高い箇所はモジュールで柔軟に


3|水・油・粒子を“入口で止める” ️

  • ドライヤ

    • 冷凍式=一般用途、露点約+3℃

    • 吸着式=露点−20〜−40℃が必要な高品質ライン

  • フィルタ段粗→微→活性炭の順。圧力計差圧で交換時期の見える化

  • ドレン自動ドレン弁+手動予備。詰まり=水撃・錆の原因に


4|圧力損失の感覚値

  • 幹線:流量と管径で0.01〜0.03MPa/100mを目安

  • 継手・バルブ:等価長で加算

  • 圧力の“谷”=電力のムダ。配管太く・ループ化・バルブ全開が省エネの近道⚡


5|末端の安定運転

  • レギュレータは機器直前で安定化、圧力計の見える化

  • フレキで機器振動を吸収、クイックカプラのグレードを合わせる

  • 工具の同時使用数を把握して枝管径を設計


6|よくあるNGと回避策 →✅

  • 水平配管で溜水勾配+ドレンを増やす

  • 漏気未管理→夜間稼働やエア音で把握→リークサーベイ改善リスト

  • 過小管径→圧力降下→幹線径アップ&ループ化

  • フィルタ放置→差圧上昇→差圧管理で交換サイクル化

  • 油ミスト混入→工程不良→オイルフリー化または活性炭・ミスト分離強化


7|据付・改修の段取り ️

  • 仮設バイパス生産停止ゼロを狙う

  • 切替は夜間:残圧抜き→養生→安全確認→復圧テスト

  • 色分け・表示:空気・窒素・真空を色テーピングで誤接続防止


8|見積り比較のチェックリスト

  1. リング化の範囲と幹線径

  2. ドライヤ・フィルタ構成(露点・差圧監視)

  3. 自動ドレン・集水装置の有無

  4. 耐食材・継手工法(改修の容易さ)

  5. 夜間切替・仮設費検査項目(耐圧・漏れ)

  6. 図面・台帳(平面・系統・バルブリスト・清浄度区分)


9|保守KPIとルーチン

  • 漏気率:供給量−実使用量(5%以下を目標)

  • 圧力安定度:末端変動±0.02MPa以内

  • エア品質:露点・油分・粒子の月次ログ

  • 点検:ドレン・フィルタ差圧・バルブ作動・サポート緩みを月次


10|導入後の“体感”を変える小技

  • ライン末端にエアタンクを噛ませ瞬間負荷対策

  • バルブ開度の封印キャップで誤操作防止

  • 重要機器は二重レギュレータで“最後の平滑化”


まとめ
エアは圧力・水分・油分・粒子4点管理リング幹線+勾配+ドレン+フィルタの基本を徹底すれば、不良と電力が目に見えて下がります。**“漏れない・落ちない・詰まらない”**ラインを、設計から保守まで伴走します。✨

 

 

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岡野工業のよもやま話~“止めない改修×確実に止める”~

皆さんこんにちは。

岡野工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“止めない改修×確実に止める”~

 

建物を守る配管は、平常時は気づかれず、非常時は100%動くことが使命。私たちは調査→水源・負荷計算→材料・支持→施工→試験→運用までワンストップで、止めない改修確実動作を両立します。ここでは現場で役立つ“型”だけをギュッと整理しました。


1|最初の30%で決まる:現地診断と計画

  • 設備台帳レビュー:受水槽/ポンプ/制御盤/配管材質/年代/過去不具合

  • 現場踏査:腐食・漏れ痕・支持金物・耐震ブレース・バルブ可動性を確認

  • 負荷の見直し:用途変更・内装更新でハザードが変化していないか

  • 計画方針夜間/休館で高リスク工程、日中は養生・切回しで“止めない”運用へ ⏱️


2|水源・圧力・流量の考え方

  • 水源:受水槽/補助散水栓/加圧ポンプ/圧力タンクの組み合わせで冗長化

  • 設計の勘どころ

    • 末端圧を満たすためのポンプ全揚程管径

    • 消火栓・スプリンクラーの同時需要の有無

    • 圧力損失は配管径・長さ・継手等価長で見積(余裕係数を設定)

  • 高層階減圧弁のゾーニング/縦主管のエア抜き水撃防止を忘れず


3|材料と耐食・耐震 ️

  • 配管材:SGP白/STPG/SUS/ライニング鋼管/耐食コーティング

  • 継手:ねじ・溶接・グルービングを用途/工期で使い分け

  • 耐震揺れ止め・ブレースのピッチと固定、スライド支持で地震時の追従性を確保

  • 腐食対策:ドレン点検口の増設、滞留水の定期排水、必要に応じ窒素パージで内面腐食低減️


4|“止めない改修”の段取り術

  1. 系統分割(フランジ/グルーブ継手で切回し)

  2. 仮配管・仮設ポンプで運用継続

  3. 夜間切替→朝までに圧力復帰

  4. 臨時放水試験でエリア検証

テナント・病院・学校など、用途に応じた静音・粉じん対策を先に設計。


5|試験・検査フロー ✅

  • 水圧試験:所定圧で一定時間保持、漏えい・圧降下なし

  • フラッシング:流速を上げてスケール排出、透明度を確認

  • 機能試験:ポンプ自動起動/流量・圧力/バルブ開閉/警報・連動(受信機)

  • 末端試験栓:最不利点での圧力・流量を記録、報告書へ


6|よくあるNGと回避策 →✅

  • ドレン詰まり→定期排水・点検口の追加で解消

  • 減圧弁のハンチング→入口圧の安定化/弁サイズ適正化

  • デッドエンド腐食→行き止まりの切回しまたは定期通水

  • 支持不足重量集中部(縦主管・曲り・バルブ)に追加サポート


7|見積り比較のポイント

  1. 水源・ポンプ仕様(冗長化・騒音対策)

  2. 配管材・継手工法(工期・耐久のバランス)

  3. 耐震支持計画(図示・数量)

  4. 試験項目と提出書類(写真台帳・計測ログ)

  5. 夜間/仮設費・復旧養生の範囲


8|運用・保守の型

  • 月次:ポンプ自動/手動試運転・バルブ巡回・ドレン排水

  • 年次:末端試験・水質・腐食点検、一部ヘッド更新

  • 台帳:系統図・弁番号・点検記録を一枚地図で可視化️


まとめ
“止めない改修×確実作動”が私たちの標準。調査→計画→施工→試験→記録を一体で回し、非常時の1秒を守ります。✨

 

 

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