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岡野工業のよもやま話~“漏れない・落ちない・詰まらない”~

皆さんこんにちは。

岡野工業、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~“漏れない・落ちない・詰まらない”~

 

圧縮エアは“見えないインフラ”。圧力降下・結露・漏気が生産性をむしばみます。コンプレッサ→ドライヤ→フィルタ→配管→末端までを一本で設計し、品質(清浄度)×省エネ×保全性を両立する実務の型をご紹介。⚙️


1|まずは“使い方”を数値化

  • 必要圧力(機器の最小動作圧+余裕0.1〜0.2MPa)

  • 瞬時流量ピーク/平均流量/将来増設分(+20〜30%)

  • 清浄度目標:含水・油分・粒子(例:クラス設定)

  • 現在のロス:夜間停止時のコンプ稼働=漏気量の目安


2|系統設計:リング主幹+ドロップ配管が基本

  • リング幹線:どの方向からも供給でき圧損低減

  • ドロップ:上から下へ降ろし、水は主管へ戻す

  • 勾配:主管はコンプ側→末端へ上り勾配、末端にドレンポット

  • 配管材:SUS/アルミモジュール/Cu/樹脂(圧力・油・温度で選定)

  • 継手:漏れに強いプレス/グルーブ/溶接、改造頻度が高い箇所はモジュールで柔軟に


3|水・油・粒子を“入口で止める” ️

  • ドライヤ

    • 冷凍式=一般用途、露点約+3℃

    • 吸着式=露点−20〜−40℃が必要な高品質ライン

  • フィルタ段粗→微→活性炭の順。圧力計差圧で交換時期の見える化

  • ドレン自動ドレン弁+手動予備。詰まり=水撃・錆の原因に


4|圧力損失の感覚値

  • 幹線:流量と管径で0.01〜0.03MPa/100mを目安

  • 継手・バルブ:等価長で加算

  • 圧力の“谷”=電力のムダ。配管太く・ループ化・バルブ全開が省エネの近道⚡


5|末端の安定運転

  • レギュレータは機器直前で安定化、圧力計の見える化

  • フレキで機器振動を吸収、クイックカプラのグレードを合わせる

  • 工具の同時使用数を把握して枝管径を設計


6|よくあるNGと回避策 →✅

  • 水平配管で溜水勾配+ドレンを増やす

  • 漏気未管理→夜間稼働やエア音で把握→リークサーベイ改善リスト

  • 過小管径→圧力降下→幹線径アップ&ループ化

  • フィルタ放置→差圧上昇→差圧管理で交換サイクル化

  • 油ミスト混入→工程不良→オイルフリー化または活性炭・ミスト分離強化


7|据付・改修の段取り ️

  • 仮設バイパス生産停止ゼロを狙う

  • 切替は夜間:残圧抜き→養生→安全確認→復圧テスト

  • 色分け・表示:空気・窒素・真空を色テーピングで誤接続防止


8|見積り比較のチェックリスト

  1. リング化の範囲と幹線径

  2. ドライヤ・フィルタ構成(露点・差圧監視)

  3. 自動ドレン・集水装置の有無

  4. 耐食材・継手工法(改修の容易さ)

  5. 夜間切替・仮設費検査項目(耐圧・漏れ)

  6. 図面・台帳(平面・系統・バルブリスト・清浄度区分)


9|保守KPIとルーチン

  • 漏気率:供給量−実使用量(5%以下を目標)

  • 圧力安定度:末端変動±0.02MPa以内

  • エア品質:露点・油分・粒子の月次ログ

  • 点検:ドレン・フィルタ差圧・バルブ作動・サポート緩みを月次


10|導入後の“体感”を変える小技

  • ライン末端にエアタンクを噛ませ瞬間負荷対策

  • バルブ開度の封印キャップで誤操作防止

  • 重要機器は二重レギュレータで“最後の平滑化”


まとめ
エアは圧力・水分・油分・粒子4点管理リング幹線+勾配+ドレン+フィルタの基本を徹底すれば、不良と電力が目に見えて下がります。**“漏れない・落ちない・詰まらない”**ラインを、設計から保守まで伴走します。✨

 

 

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